2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ついていけなかった。文章も物語もぶっちぎりです。疾走しているというか、奔走しているというか。はっきりいえば意味がわからない。 どう解釈すればええねん。 獣の樹でも主人公だった”成雄”が鬣生やしたまんま、足速いまんま出てきます。まぁこういうこと…
女性を殺して焼却するという猟奇殺人事件が続く地方都市。 単独犯か集団による犯行か…犯人はマスコミから「フレイム」と名付けられ、世間を騒がせていた。 フレイムによる犯行で、幼なじみを殺された高校生”甘祢山紫郎”。跡を追って自殺を図ったが、寸前のと…
メタと妄想が融合された作品。超短編。 「作者としての自分(現実)と作中の自分(妄想)を重ね合わせたり分裂させてみたりして世界を見つめなおすよ」という具合の小説(たぶん こういう気持ちは結構共感できる人多いと思います。いわゆる「およげたいやき…
言わずともしれた有名作品。 ・・・これは、どこに面白さがあるんだ?と初めて読んだ人は思うかもしれません。というか私がそうでした。 いや、単に私の感性が乏しいのでしょうか。なんだかよくわからない謎の文章と不思議なストーリーに困惑します。でも解…
推理小説の原点。 この作品が生まれなければアーサー・コナン・ドイルをはじめとする推理小説作家は世に出てこなかったとさえ云われている。かの有名な江戸川乱歩の作家名も彼の名前をもじったもの。 面白いかどうかと問われれば、正直微妙なところですけれ…
一時期ものすごい話題になりました。 そして今少し驚いたのが「ライトノベル」と打とうとすると同時に「オタ小説」と候補にあがってくるという事態。何とも悲しい気分になりますが、まぁ放っておきましょう。江戸川コナンと打てば「工藤新一」と出るような時…
酷評することは簡単です。だからあまり好きじゃない、したくない。出来れば良いところをたくさん見つけだして称賛するという意味合いで書評を書きたい。 だがしかし、これは叩かざるを得ない。久しぶりに出会いました「駄作」です。 ~あらすじ~ 小説家を目…
夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢う。 それは僕の目の前で首吊り自殺を図ろうとしている少女だった。 生きているけど、死のうとしている。その少女はとても美しかった。 「イルカ」の僕は彼女に恋をする。 __それから十三年の月日が経った。僕は彼女…
__ねぇ、秒速5センチなんだって ___桜の花の落ちるスピード、秒速5センチメートル 突然ですけど私、新海誠の作品が大好きなんですよ。 身近なのに壮大で、儚いけど尊い。切ないのに美しい、そんな世界観。 見終わったあとに軽く鬱になりますけど、そ…
ヨーロッパの小国ソヴュール。極東の島国(日本)から留学した少年久城一弥は、聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女ヴィクトリカと出会う。 金髪碧眼の天才美少女と、大和魂を秘めた日本男児の端くれみたいな少年が織りなすハーモニー。これがまた絶…
微笑ましい。 狐の面をかぶった青年に淡い恋心を抱く女子大生の、初恋の物語。 んー、メフィスト賞って感じはしなかったかな・・・ ただ、「つままれた」という感じもなくもない。 まず気になったのが主人公の名前が一切出てこないこと。もちろん物語はその…
十四歳の僕が馬から生まれる。 記憶もない、名前もない。そもそも自分が何者なのか、人なのか馬なのかもさっぱりわからない。出産(?)の場面に偶然出くわした少年、河原正彦に拾われて僕は河原家の息子となる。 学校に通い、友達をつくり、そして生まれて…
文学にルールなんてあるのか。 例えば文章を書くとして、「私」と書いたあとに連続する言葉はある程度決まっているのだという。それは「が」とか「は」とかいう接続詞だったり、または「出かけます」だとか「疲れました」でもいいし「あなたのことが好きです…
これほど完成されたSFはない! ハードSFの中でも頭一つ飛び抜けている。秀逸な作品に出会うと、その世界に浸っている間、本当に時間を忘れてしまうものである。 各章ごとに綴られる冒険者たちそれぞれの物語、回想録。 それは例えばホラーであったり、ハード…
タイムパラドックスものかと思った。しかしそんなレベルを超越している。いろんな意味で「次元」が違う。 なんやこれ。 ミステリ、SF、ハードボイルド。まさにそのとおりである。ただしかしここまで読者を選ぶ小説があるものか。 内容もざっくりと紹介したい…
僕はまだ子供で、 ときどき、 右手が人を殺す。 その代わり、 誰かの右手が、 僕を殺してくれるだろう。 森博嗣はS&Mシリーズが代表作のような気がしていたけど、違うようだ。スカイ・クロラシリーズの方がどストライクである。個人的に。 とにかく美しい描…
舌を巻くほどの美味だ。全て読み終わった瞬間に訪れる虚無感にも似た幸福感。胸いっぱいに流れ込んでくる哀愁。一瞬時間を忘れてしまう。 傑作である。 月開発計画は人間と、そして彼らに造られた機械人たちの手によって順調に進んでいた。しかし、監視する…
火星三部作、第二弾。「あなたの魂に安らぎあれ」の続編。 あれから遡ること70年前のお話、火星の都市「秋沙」の人々は、自我の分身ともいえるパーソナル人工脳「PAB」を所有していた。自分の経験をPABに入力していくことによって、PABはその人間と共に成…
これは上等なエンタメである。そして同時に、脳医学の本でもある。 特に良かったのが、登場人物のキャサリン・ブライマーの言葉 「わたしという自我をひとつにまとめている力が感情だといえる」 「思想も信念もただの言葉。言葉というのは他人のもので、わた…
放射能による大気汚染は人間を太陽の下から追いやった。舞台は核戦争後の火星。もちろんifのお話。地表は人間の生活できるような環境下ではなくなり、人々は地中深くに空洞都市をつくり、まるで日の光から逃れるもぐらのような生活をおくっていた。代わりに…
ちょっと今回は書評じゃないんですけど、たまには。 主人公ウィル・ブルームは幼少の頃から、父エドワードの語る物語を聞かされて育った。まるでおとぎ話のような、父の若かりし頃の物語。 奇想天外な物語は、歳を重ねれば重ねるほど真実味も薄れて感じられ…