共喰い 田中慎弥
~川辺の田舎町。十七歳の”遠馬”は、一つ歳上の幼馴染”千種”と付き合っていた。
娯楽もない、新鮮さも感じないこの田舎町で、遠馬は千種とのセックスに明け暮れ、その遠馬の父親もまた、共に暮らしている遠馬の実の母親ではない女と、毎晩のように性に溺れていた。
父にはセックスのときに女を殴る癖がある。これは、生まれたときから別居状態である遠馬の実の母がよく話して聞かせてくれた。
自分は父とは違う。そんな衝動はないと、そう自らに言い聞かせる遠馬だったが、いつからかその衝動は抑えきれない欲求へと変わっていく。
純文学です。もう一篇収録されてますけど、ただの釣り小説にしか思えません。やはり表題作「共喰い」こそ読み応えがあります!
短い話ではあるのに、それでも生々しく生臭い小説となっております。
学生こそこういうものを読むべき!