限りなく透明に近いブルー 村上龍
腐ったパイナップル
ドラッグとセックスと暴力。
このワードに尽きます。きっと、こういう生活を送る人たちはこの世の中にはたくさんいるはずです。表向きに出てこないだけ、私たちがしらないだけ。関わりがないだけ。
ただそれだけです。
逆に、この物語の主人公”リュウ”なんかは、私たちの生活こそ知りません。普通という言葉を使っていいならば、彼にとってこれは「普通」で、彼の日常であるわけですし、私たち一人一人にも、「普通」があって日常があります。
仲間たちが目の前でドラッグ打ってようが、仲間うちの女の子が外人の男共に暴力振るわれていようが、自分自身が乱交パーティでイマラチオされようが、それこそ彼の日常なわけです。
どんな人でも、ふとした瞬間に虚しさを感じることはあると思いますけど、リュウのそれはある意味。私たちが感じるような空虚さとは全く違う次元のものに思えます。
なんて生々しい小説だったんだ。
私は新装版を読んだんですけど、巻末の綿矢りささんの解説がとても素晴らしいです。読んで、どうぞ。