ビッグ・フィッシュ
ちょっと今回は書評じゃないんですけど、たまには。
主人公ウィル・ブルームは幼少の頃から、父エドワードの語る物語を聞かされて育った。まるでおとぎ話のような、父の若かりし頃の物語。
奇想天外な物語は、歳を重ねれば重ねるほど真実味も薄れて感じられる。成長し、大人になっていくウィルは、いつしか、父エドワードの語る物語を疎ましく思うようになる。
終いには、自分の結婚式でまで、千回も二千回も聞かされたウィル本人の誕生秘話「巨大な魚を釣った話」を披露され、とうとう父と子の間に軋轢が生まれる。
それから何年かの月日が経ったある日、母サンドラからウィルの元に、父エドワードが病に倒れたとの知らせがはいる。
妻と共に実家へ帰ると、そこには病床に着きながらも相変わらずな「作り話」を披露する父親の姿があった。
泣いた。素晴らしい映画だった。ファンタジーとアドベンチャーと家族愛を黄金比でブレンドしたかのような作品。
様々な人と出会い。自分と向き合い。大きな困難に遭遇しても、自ら突進していく「長い長いまわり道」という人生を送った偉大な父エドワード。そして、そんな彼の人生の幕引き。
感動した。