スカイ・クロラ 森博嗣
僕はまだ子供で、
ときどき、
右手が人を殺す。
その代わり、
誰かの右手が、
僕を殺してくれるだろう。
森博嗣はS&Mシリーズが代表作のような気がしていたけど、違うようだ。スカイ・クロラシリーズの方がどストライクである。個人的に。
とにかく美しい描写が多すぎる。生きるとか、死ぬとか。どうしてここまで綺麗に描けるのだろう。この作者の世界で死んでいった人達は幸せだ。とてもじゃないけど、現実の「死」はこんなに綺麗なものばかりではないから。
そして主人公がニヒリスティックすぎて恐ろしい。でもこんな境遇に居続けたら感情も希薄になっていくものなのかな。
しかし名言ばかりで拾いきれない。その中でも一番心に残っているのはこれ
~理解ほど、貴重で入手が困難なものはない。それが得られるのは、きまって、その必要がすっかりなくなったときなのだ~
ニーチェの名言集の隣に、森博嗣の名言集が置いてあってもありだと思うんだ。
・・・しかし喫煙家描くの好きだなこの人。