すべてがFになる 森博嗣
理系ってかっこいい。文系とは全く異なる分野にも関わらず、彼らは相応にして文学にも長けている。いや、むしろ文系の人間よりも言葉を巧みに扱う人が多い。
そもそも理系が文系と「異なる分野」だと考える方がおかしいかもしれない。実は色々と似通っていたりするのかも知れない。私にはよく分からないのだけど。
きっと彼らは当たり前のごとく、文系の過程を修了したうえで、数学や工学、科学に取り組んでいるのだ。そしてその+αだったものが、いつのまにか主体になり、自らを知性という名のオーラで包み込む。実に近寄りがたい。
ちなみにこの作品は「第一回メフィスト賞」受賞作品である。確かになるほど・・・本当に面白い。
犀川の台詞はいちいちかっこいいし、西之園萌絵は賢くて可愛い…読んでいるこっちまで頭が良くなりそうだ。西尾維新が森博嗣を崇拝するのもわかる。
しかもよく考えてみたら、デビュー作の内容がかなり近いじゃないか。クビキリサイクルも「孤島」で「密室殺人」だった。
こりゃあ、明日はクビキリサイクルの書評書くしかないね。せやね。