ふがいない僕は空を見た 窪美澄
人がこの世に生を受けるということ。
どんな人間にも必ず両親がいて、それはどちらかがオスで、どちらかがメスだろう。
何をどう誤魔化しても、目を背けても、性と生は切っても切り離すことのできない、コインの裏と表みたいな関係だといえる。少なくとも人間は、そう。
冒頭からぶっ飛んだ内容に衝撃を受けながらも、途中で投げ出したりせずに最後まで読んで良かったと本当に思った。終章の”花粉・受粉”でなんだか泣けた。
誰かと結婚して、子供が生まれて、その子供を育てて、自分も老いて、そして死んでいくということ。それがいかに大変で偉大なことなのか。
ただ、生きていくことっていうのはプランが定まったツアーじゃない。いうなれば自由な旅である。結婚できない人もいれば、子供が産めない人もいるし、子供を育てることを放棄する人も勿論いるだろう。
大人向けの内容ではあるけど、特に高校生とか大学生はこういうの読んだほうがいいんじゃないかなぁ。まぁ、全ての人に読まれるべき一冊ですね。