そんなに暇なら本でも読みませんか?

書評、感想、おすすめ。少々偏りがありますが、わりと何でも読みます。

冷たい校舎の時は止まる(上・下) 辻村深月

何これ、ホラー小説かよ。

と思ったけど読んでいるうちに持ち直しました。

デビュー作とは思えない文量。大半が、主人公達それぞれの回想なんだけど、だとしてもすごい肉厚。それに、この回想が良かった。そうだ、これで持ち直したんだ。

 

高校生は「大人」ではない。

「子供」ではあるけれど、幼児ではない。なんとも中途半端な時期。

こういう時期だからこその悩みとか、心配事だとか、不安がある。

そして「学校」という組織の中での自分の立場があるわけだ。

社会に出れば、それがいかに小さなフィールドだったのかを実感出来るけれど、当時は気づかないものなんですよね。

「井の中の蛙大海を知らず」ってやつです。