海を見る人 小林泰三
救いようがない。ツッコミどころが多すぎてどうしようもない。
小林泰三の小説はこれが初めてだったのに、正直がっかりした。
物語のつまらなさも然ることながら、登場人物の台詞も会話もセンスがない。
しかも「天獄と地国」の中で、宇宙空間に人間が晒される場面があるけど、この描写はおかしい。主人公が慌ててとった行動も、非常に危険である。こいつら設定上では、生まれた時から宇宙船で暮らしているはずなのに、宇宙空間に放り出された時の対処も知らないとかどういうことだよ。
(~カムロギは、肺の内圧を下げるため、慌てて口を開いた。
目が乾燥し、開けていられなくなった。口の中が腫れ上がり、真っ赤な霧が噴き出す。全身の皮膚に激痛が走る。カムロギはパニックを起こし、真空を呼吸しようとした。肺の中身が外に飛び出そうとする。心臓が口に向かって動きだす。真空中では音はしないと思っていたが、耳の中では爆発音が絶え間なく、鳴り続けている。自分の血液が沸騰する音だ。)
内圧なんてどうでもいいから、口は閉じるべき。目も見開いてたらあかん。しかも血液はそんな一瞬で沸騰しない。
・・・マクロスFのアルトの方が断然、的確な指示出してたわ。ランカちゃんに対して。