ねじまき少女(上・下) パオロ・バチガルピ
アメリカ人が感じる、石油の重要性と、他の国の人達が感じる石油の重要性とでは天秤が釣り合わない。なんてったって、アメリカは石油の大量消費国だからだ。
石油は国の貴重なエネルギーである。ちなみに作者はアメリカ人。
物語は石油が枯渇し、エネルギー構造が変化したバンコクが舞台。
こういう近未来SFは難しい。
それは、読者にもある程度の知識が必要とされるからだ。
(その背景があるから→こうなる)
(そういった理由があるから→こういう方法をとる)
と、展開される物語に整合性がとれているという事を踏まえた上で読んでもらわないと意味がない。
「石油って何で大事なの?」とか
「石油使わなくても生きていけるから笑」ぐらいのことしか思い浮かばないような人では面白さも何も伝えられないのだ。
とりあえず、ねじまき少女良かったです。